従来、産業安全分野の懲戒制度は、何よりも管理の手段として築かれてきました。事業所ごとに定められた数多くの規定、紙による手続き、まちまちな解釈、そして事業所次第で変わる判断です。しかし次第に、こうした仕組みは運用が煩雑なだけでなく、安全そのものや、産業安全・労働安全衛生部門に対する従業員の信頼にも直接影響することがはっきりしてきました。
Nornickelでは、まず安全文化の調査でこの問題を確認し、続いて懲戒処分が実際にどう運用されているかを分析しました。その結果、同じ違反に異なる処分が科される一方で、重さの異なる違反に同じ対応がとられることもあると判明しました。
本講演では、Nornickelがばらばらだった懲戒の仕組みから、統一的でわかりやすく、管理しやすい手法へとどのように移行したのかを詳しくご紹介します。
旧制度はどのようなものだったのか、なぜ変える必要があったのか。労働安全衛生分野の懲戒の仕組みがどのように形づくられてきたのか、そして事業所ごとに異なる運用が、なぜ現代の安全文化の要請に応えられなくなったのか。
同じ違反には、明確な判断を。分析と部門横断の共同作業をもとに、統一基準をどのように策定したのか。
机上ではなく、現場で検証する。まったく性格の異なる3つの拠点での試行から何が見えたのか。なぜ最も重視したのが手法の形式的な正しさではなく、実際の生産現場で使えるかどうかだったのか。
試行から全社共通の基準へ。試行で検証した統一基準を段階的に全社へ展開すべきだという結論に、現場自らがどのようにたどり着いたのか。
わかりやすい懲戒制度は、誰にとっても必要なもの。従業員と上司は妥当でわかりやすく予測できる判断を、労働安全衛生部門は透明な仕組みと一元化された分析データを得られます。そして会社は、全事業所で共通のルールを持ち、労務・経営リスクを抑え、運用にかかるコストを削減できます。