ビジネスの拡大と従業員数の増加は、必然的に従来のHSE管理手法に課題をもたらします。企業が毎年何千人もの新入社員を採用し、事業展開が全国に及ぶ場合、手作業による記録や紙ベースの文書管理は非効率であるだけでなく、リスクも伴います。本講演では、ソブコムバンク(Sovcombank)の事例を詳しく取り上げ、国内のITソリューションのみを使用して、半年間で主要なHSEプロセスを統合デジタル環境に移行した実績を紹介します。
自動化の決定は、従業員の急激な増加(年間約7,000人の新入社員)だけでなく、プロセスの最適化の必要性を指摘した監督機関の監査結果にも起因していました。講演者は、HSE専門家の数を比例して増やすという単純な拡張アプローチを企業がなぜ放棄したのかを解説します。代わりに、コンピテンスセンターを設けた部門の再構築と、既存のITシステム(1C、WebSoft、Pyrus、Aura)に基づく大規模な自動化というハイブリッドモデルが選択されました。
自動化の導入により、ルーチンタスクへのアプローチが根本的に変わりました。講演者は研修プロセスを例に挙げ、人事データベースとの統合によってニーズマトリックスが自動的に作成される仕組みを示します。プログラム自体が、従業員に必要なコース(出張の多い業務などの特性を考慮)を決定し、入社当日に割り当てます。
興味深い解決策として、企業ポータル上の仮想アシスタント(チャットボット)の開発が挙げられます。毎月、HSE部門は従業員から約2,000件の同様の問い合わせを受けており、膨大な時間を費やしていました。ボットの導入により、よくある質問(微小な怪我の際の行動手順やインシデント報告の作成など)への回答が自動化され、専門家のリソースを戦略的な課題の解決に振り向けることができました。