ロシア企業の間で、品質管理、環境、安全に関するマネジメントシステム監査の普及が、さまざまな理由から加速しています。ISO 45001/9001/14001の認証取得を熱望する企業もあれば、監査の価値を深く理解し、自社の「弱点」を徹底的に把握してさらなる発展に繋げたいと考える企業もあります。
監査とは何でしょうか?それは、監査基準への適合度を判断するために、客観的な証拠を得て、それを客観的に評価する、体系的で独立した、文書化されたプロセスのことです。言い換えれば、何が何でも間違いを見つけ出すことではなく、現在どのようなプロセスが存在し、最大限の効率を達成するためにそれらをどのように改善できるかを明らかにすることなのです。
監査を実施する方法はいくつかあります。会社は自社のリソースと専門知識を活用して内部監査を行うこともあれば、外部の専門家を招くこともあります。どちらの目的も同じで、「弱点」を見つけ出し、改善のための提言を策定することです。しかし、よく言われるように「悪魔は細部に宿る」もので、外部監査員にも内部監査員にもそれぞれデメリットがあります。どちらを選択するかにおいて、経営陣は結果として何が得られるのか(あるいは得られないのか)を明確に理解しておく必要があります。
外部コンサルタント(デメリット):
? 生産の現場に詳しくないため、システムやプロセスの理解に時間がかかる。
? 自社で監査を行うよりもコストが大幅に高くなる。
? 監査を実施した後、コンサルタントが自社製品を最大限に売り込もうとするなど、コンサルタントの言いなりになってしまう危険性がある。
内部監査員(デメリット):
? 独立性の欠如
? 通常業務からリソースが割かれる
? 幅広い経験の不足
? 主観的な判断や偏見が生じる可能性
そのため、理想的には、外部監査と、それに伴う内部リソースの育成・活用を組み合わせるのが最善です。
監査を最大限に効果的なものにするためには、監査員は最高レベルの専門家でなければなりません。
プロフェッショナリズムとは、測定するのが難しい実体のないものですが、それが欠けていればすぐに分かります。
? 誠実さ
? 公正な報告
? 専門家としての正当な注意
? 機密保持
? 独立性
? 証拠に基づくアプローチ
? リスクベースのアプローチ
実務における、いくつかの現実的で残念な例:
- 「HSE担当者の労働安全証明書が来月で切れるため、現在、この担当者は職務不適格である」
- 「会社が交通警察に自社車両の交通事故件数を照会していないため、社内の道路交通安全システムは機能していないと判断する」(担当者や運転手への教育、規定、健康診断、命令書などがすべて揃っているにもかかわらず)。
- 「会社は危険作業を行っているが、私はそれについて何も分からないので、オフィスの電気ポットのケーブルをチェックすることにする」。
- 「この指摘事項は上司が気に入らないだろうから、レポートから削除しよう」。
- 「よし、彼らの監査をすることになったぞ。こてんぱんにしてやる」。
これをどう改善すべきでしょうか?監査員の視野を広げ、生産現場への関与を深め、経験豊富な従業員によるコーチングを行い、信頼できるトレーニングセンターで定期的にスキルアップを図ることです。
監査の重要な段階は、企業の文書の検討と、産業現場への必須の対面訪問です。そこでは監査員が、プロセスがどのように機能しているか、設備がどのように稼働しているかを確認し、さまざまなレベルの従業員と対話し、労働条件を観察します。もちろん、現在の状況は厳しい条件を突きつけていますが、私は安全システムや環境保護の監査をリモートで実施することの価値を、いまだに確信できていません。そして、そのような活動を「監査」と認めることができるのでしょうか……?私にとって、この問いはまだ解決していません……。
監査の結論は単純です。経営陣にプロセスの現状の客観的な評価を提供することです。何のために?経営者が既存のリソースを評価し、今後の発展について決定を下せるようにするためです。
監査の手法は、ISO 19011:2018(JIS Q 19011:2019)「マネジメントシステム監査のための指針」に詳しく記載されています。